わがままという理由で離婚できる?

 

 

夫婦のなすべき義務とは?

 

 

民法第752条は

「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」

と、法律上の夫婦のなすべき義務を規定しています。

 

つまり、夫婦は一緒に暮らして助け合っていく義務があるということです。なので、常識的に見て、明らかにこの義務を怠っている場合には「悪意」とみなされ、「悪意の遺棄」の適用の判断材料の1つになります。ちなみに、この場合の悪意とは、例えば次のようものです。

■働かない。
■生活費を入れない。
■暴力をふるう。
■ほかの異性と同棲している。...など

 

スポンサーリンク

 

 

転勤など仕事の都合で別居している場合は

どうなるのですか?

 

仕事のためにやむを得ず別居している場合は、夫婦が合意していれば問題はありません。

 

しかしながら、例えば、「友人と離れたくない」だとか「田舎が嫌だ」といった理由から、「一緒に暮らそう」という夫と別居しているというようなケースの場合には、夫と助け合っているとはいえませんので、義務を怠っていると判断される可能性があります。

 

つまり、離婚理由の1つである「悪意の遺棄」が適用される可能性があります。

 

 

本人の同意のない結婚や離婚は

無効になるのでしょうか?

 

結論から申しますと、本人にその意思のない結婚は無効になりますので、裁判所に訴えを起こせば初めからなかったことになります。民法第742条は、次のような場合は、婚姻は無効であると規定しています。

■人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき
■当事者が婚姻の届出をしないとき

 

ただし、子供ができたと言われて婚姻届にサインをしたけれど、嘘だとわかったので結婚を無効にしたいといった場合は「取消」となりますので、離婚と同様の手続きが必要になります。

 

具体的には、家庭裁判所に「婚姻取消の調停」を申し立て、合意に相当する審判をもらって、その謄本を役所に提出しなければなりません。

 

 

離婚の場合は?

 

上記とは反対に、離婚届を取消しにすることもできます。

 

具体的には、一度は離婚するつもりで離婚届にサインしたけれど、やっぱり別れたくないので離婚届を受理しないでほしい
というのであれば、「不受理申出」を書面で提出します。

 

ただし、これは電話では効果がなく、また申請してから6か月しか効力がありません。なので、相手が離婚届を持ったまま行方がわからないので、いつ離婚届を出されるか心配だというような場合には、6か月後に改めて申請する必要があります。

 

なお、婚姻届であれ、離婚届であれ、本人の同意なしに勝手に届け出た場合には犯罪になります。

 

スポンサーリンク