善意と悪意の違いは?

 

 

善意悪意

どのような法律用語なのですか?

 

 

通常の日常会話で、「善意」とか「悪意」という言葉を使うときには、「善意から手伝ってあげた」とか「悪意をもって知らんぷりした」などというように、心情的に良い、悪いという意味で使っているかと思います。

 

しかしながら、法律用語における「善意」「悪意」には、良いとか悪いという道義的な意味は含まれていません。これは、「善意」とはある事柄を知らないことであり、「悪意」とはある事柄を知っていることだからです。

 

結果的に良い・悪いという意味になることもありますが、そうでない場合もあります。この「善意」「悪意」というのは、間違えやすい法律用語ですので注意したいところです。

 

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善意の第三者が保護されるケースとは?

 

善意の第三者は、何らかのトラブルがあっても保護されるケースが多いです。具体的には、例えば、不当利得の返還の範囲については、悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還し、かつ損害があればその賠償の責に任じます(704条)。

 

しかしながら、善意の受益者は、その利益の存する限度においてこれを返還すれば足りる(703条)とされています。つまり、不当な利得であっても善意(不当だと知らずに)で受け取ったものは、残っているものだけを返せばよいということです。

 

ただし、例外もあります。配偶者から悪意で遺棄されたときは、770条1項2号によって、離婚の訴えをすることができます。これは、善意・悪意に倫理的な意味がこめられています。

 

 

無責任なうわさで精神的な苦痛を受けた場合には

どう対処したらいいの?

 

無責任なうわさで精神的な苦痛を受けた場合には、そのうわさ話を流した人に対して慰謝料を請求することができます。また、うわさ話を流した人は、社会生活の上で保たれている名誉や信用を傷つけたということで、刑法で処罰されることもあります。

 

なので、それによって精神的な苦痛を受けた人は、刑法第230条の名誉毀損で警察に告訴するか、民法第723条の慰謝料を請求すると警告した文書を送るとよいです。

 

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警告文書の送り方は?

 

警告文書を送る際には、内容証明郵便にすると、郵便局が文書の内容を証明してくれます。また、文書が届いたことを証明できる配達証明にすると、さらに効果的です。

 

 

証拠も必要?

 

悪いうわさを流しているという証拠も必要になります。証人になってくれる人がいると一番良いですが、そうでなければ、誰かにテープレコーダーに録音してもらうのも有効です。なお、うわさが相当広い範囲に流れているケースでは、謝罪広告を出させることも可能ですので、その場合には、裁判所に申し立てます。

 

 

経済的損害の賠償請求もできますか?

 

うわさ話を流された人が仕事を持っていて、そのうわさ話のために仕事に支障をきたしたということであれば、経済的損害の賠償を請求することも可能です。

 

 

悪いうわさは刑法に触れる?

 

例えば、「あの人はバカだ」といったような具体的でない事柄であっても、侮辱の罪で刑法に触れます。また、たとえうわさの内容が事実であっても、うわさをすること自体がプライバシーの侵害にあたります。

 

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