医療ミスが疑われる場合は?(1)

 

 

医療ミスがあったと思ったら

どうしたらよいですか?

 

 

例えば、身内の者がちょっとした病気で入院したはずなのに、突然なくなったようなケースで、医師の様子もおかしく、きちんとした説明もないような場合です。このような場合、病院を訴えることはできるのでしょうか?

 

病院と患者の間には診療契約が結ばれていますので、病院と担当医師は、診療した当時の医療水準に基づいた診断をし、適切な治療を行わなければなりません。よって、医師の診断・手術のミスで、病気やケガが重くなったり死に至った場合には、損害賠償の責任を負うことになります。

 

しかしながら、医療過誤の問題においては、被害者側が、医師の不法行為による責任を追及しようとする場合には、医師の過失を立証する必要があるのですが、これは非常に難しいといえます。

 

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というのは、医師の診断や治療行為は病院内部で行われますし、被害者側は、立証材料となる次のようなものなどを見ることができないのが実情だからです。

■カルテ 
■看護記録 
■検査記録 
■手術記録

 

 

被害者側はどのように

医師の過失を立証したらよいのでしょうか?

 

被害者側は、病院と交渉するよりも先に、裁判所に証拠保全の申し立てをして、次のような記録を写真撮影したり、コピーすることが重要になります。

■カルテ 
■看護記録 
■検査記録 
■手術記録

 

これは、もしも病院側が、被害者側の動きを察知した場合には、カルテなどの記録を改竄(かいざん)することも考えられるからです。なので、病院側に知られないうちに手続きを行わなければなりません。なお、証拠保全の手続きは難しいですから、弁護士に相談したほうがよいと思われます。

 

 

債務不履行による追及とは?

 

病院と患者との間には、医療行為についての委任契約があったという見方をすると、その債務不履行が医師にあったとして追及することも可能です。

 

この場合には、被害者側には立証責任はなく、反対に医師の側が、契約違反がなかったということを立証しなければなりません。なので、医療過誤による訴えを起こす場合には、不法行為の追及ではなく、契約違反に基づく責任を追及するほうが立証しやすいといえます。

 

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