示談成立後に後遺症が出たら?

 

 

示談とはどのようなものですか?

 

 

示談というのは、お互いに話し合って紛争を解決することです。なお、交通事故などの場合は、被害者が加害者に対して損害賠償を請求し、当事者たちばかりでなく保険会社が加わったり、調停をしたりで示談となることも多いです。

 

 

示談後は追加の請求はできないのですか?

 

示談がまとまると「示談書」という契約書が作成され、次のようなことが明確にされます。

■賠償金をいくらにするか
■被害者はそれ以外には請求しない(放棄条項)

 

なので、原則として、示談が成立した後は、追加の請求ができないということになります。

 

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示談成立後に後遺症が出た場合、

損害賠償は求められるのですか?

 

任意保険の保険金を受け取るためには示談書が必要になりますが、そこに書いてある金額以上は、保険会社からは受け取れませんし、加害者が自腹を切って追加払いする可能性も低いです。これですと、後遺症が出るかどうかわからないケガの場合には、どのようにして示談を進めればいいのか困ってしまいます。

 

そもそも後遺症というのは、医師が診ても発生の予測がつかないことが多いからです。こうしたことから、後遺症についての損害賠償の追加請求を制限するのは、被害者にとって不利だと考えられるようになりました。

 

そこで、現在の判例では、示談のときに予測できないような後遺症が出た場合には、放棄条項にかかわらず、賠償の追加請求ができるとしています。ただし、その後の後遺症の分も含めて示談にしたとはっきりしている場合には、認められません。

 

また、後遺症に関する補償の請求は、認定診断書が出た日から3年以内にしなければ時効になってしまいます。

 

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飲みに行ったときに行われるワリカンは、

法律上はどうなのですか?

 

民法第427条では、次のように規定されています。

「同一の債務について複数の債務者がある場合、別段の意思表示なきときは、各債務者は平等の割合をもって義務を負う」

 

つまり、酒を一緒に飲んだメンバーは、店に対して複数の債務者になり、平等に義務を負っていることになりますので、「ワリカン」で酒代を支払わなければならないということになります。とはいえ、これはあくまでも法律上の話です。

 

 

債権者と債務者の関係が1対1でない場合は?

 

前述のような飲み代だけではなく、例えば、グループで別荘を購入した場合とか、死亡した父親の借金を複数の子供が相続した場合など、債権者と債務者の関係はいつも1対1とは限りません。債権者が一人で債務者が複数のときや、反対に債権者が複数で債務者が一人ということもあります。

 

このように共同で契約を結んだときは、債権と債務は平等に分割する必要があります。この考え方の基本になっているのは「可分給付」というもので、これは分けられるものは分けるということです。

 

そして、「分けられる」と判断された場合は、「分けない」と皆が合意したとき以外は、分割して債務を負うのが原則となります。

 

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