協議離婚とは?
協議離婚というのは、離婚するときに、夫婦が話し合って離婚をすることをいいます。ちなみに、民法第763条では、「離婚は夫婦間の協議ですることができる」と規定しています。
これは、結婚が男女間の自由な意思でできることから、離婚も夫婦間で自由に合意するのが理想であるということかもしれません。
協議離婚で合意に至らない場合はどうなるのですか?
一般的には、離婚するカップルの90%以上が「協議離婚」していますが、協議しても合意に至らない場合には、調停、審判、裁判と各ステップに進むことになります。
協議離婚で注意しなくてはいけないのは
どのようなことですか?
協議離婚の場合には、後でもめないように、次のようなことはきちんと決めておいたほうがよいです。
■子供のこと
・未成年の子供の面倒は誰がみるのか、親権はどうするのかなどです。
・特に親権に関しては、離婚届に記入欄がありますので、これが空欄ですと受け付けてもらえません。
■戸籍と氏のこと
・離婚したら旧姓に戻るのが原則ですが、結婚していたときの姓をそのまま使用することも可能です。
■金銭のこと
・調停や裁判にまで持ち込まれるもので最も多いのが、このお金の問題ですが、書類の形で残したとしても、契約書や念書、合意書のレベルではいざというときに強制力を持ちません。
・もし、相手が約束を守ってくれないときなどには、裁判を起こすしか方法がないわけですが、財産分与や慰謝料、養育費など「お金のこと」に関しては、公的な文書である「公正証書」にしておくようにしたいです。
離婚を申し出た夫が
生活費を送金してくれないケースは?
民法第760条では、
「夫婦はその資産、収入その他いっさいの事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」
と規定されています。
つまり、夫婦になったら、家族(夫婦と子供)の生活費をお互いに分担し合う義務があるということです。なので、調停中とはいえ、まだ正式に離婚していませんし、妻のほうに収入がない場合は、当然、夫が負担義務者になります。よって、夫は、子供の養育費を含めた生活費を支払う必要があります。
金額はどれくらいになりますか?
上記の子供の養育費を含めた生活費の金額ですが、これについては、妻の収入や、支払い者の収入によっても変わってきます。ちなみに、平成19年の司法統計年報によりますと、「婚姻費用・生活費支払いの取り決め額」は、6〜15万円が最も多くなっています。
婚姻費用分担の要求はどのようにすればよいのですか?
婚姻費用分担の要求については、まずは調停をして請求をするのが筋です。
しかしながら、、それだと時間もかかるし、その間の生活費も欲しいということであれば、家庭裁判所へ「審判前の保全処分」を申し出れば、審判前に事前の審判を出してくれます。具体的には、
「婚姻費用の分担金として●●年■■月分より月額▲▲万円を仮に支払え」
というような命令が裁判所から夫に出されます。そして、それでも夫が生活費を支払わない場合は、義務履行の勧告や命令を出してくれます。