夫婦別産制とはどのようなものですか?
夫婦別産制というのは、夫婦のどちらかが、結婚する前からすでに持っていたり、結婚してからでも、自分の名義で得た財産は、その者の特有財産であるということです(民法762条1項)。
共有財産とはどのようなものですか?
夫婦別産制に対するものが「共有財産」です。これは、夫婦のどちらかの財産かはっきりしないもの(民法762条2項)で、離婚の際には、この共有財産は財産分与の対象になります。
なお、結婚のときに、お互いの財産が誰のもので、誰が管理するかについて「夫婦財産契約」を結んでおくと、後でもめなくて済みます。
未成年後見人とはどのようなものですか?
未成年者に親がいないとき、あるいは親がいても、その責務を果たすことができないときには、生活について配慮し、さらに財産があれば、それを管理する者が必要になります。そのためにおかれるのが未成年後見人です。
ちなみに、この未成年後見人には、後見される者が成年に達したり、婚姻をして成年とみなされて後見人を必要としなくなるまで、なすべき仕事には細かい規定があります。ただし、実際には、親類などが未成年者の面倒をみる「事実上の後見」というケースが多いです。
内縁と同棲はどのような違いがあるのですか?
結婚はしていないけれど、一緒に暮らしている男女のことを「同棲カップル」とか「内縁の夫婦」とよんだりします。一般的には、2人が若ければ同棲で、中年以上だと内縁といったイメージがありますが、実際はそうではなく、夫婦としての実体があるのかどうかによって違うことになります。
内縁とはどのようなものですか?
内縁というのは、結婚するつもりがあって共同生活を行い、社会的にも夫婦と認められているにもかかわらず、婚姻の届出をしていない男女の関係のことをいいます。なので、内縁と夫婦との違いは、婚姻届を出しているかいないかということだけです。
ちなみに、法律上も「婚姻に準ずる関係」として保護されています。内縁は法律上の婚姻ではありませんが、結婚しているのとほぼ同じという社会的な事実は無視できませんので、内縁は、婚姻に準ずる「準婚関係」として、姻の規定が準用されます。
同棲とはどのようなものですか?
同棲というのは、男女が1つ屋根の下で共同生活を送っているという点においては内縁と同様ですが、一時的なものであるケースが多いです。なので、実質的には夫婦同然の生活であっても、社会的に認められているかどうかによって「内縁」か「同棲」かが判断されることになります。
内縁と同棲の不当破棄と損害賠償請求について
内縁の場合は、精神的・物質的な損害の賠償責任が生じますが、世間一般に通用している同棲の概念から、同棲をやめたとしても損害賠償の請求はできないとされています。
つまり、一時的な同居にすぎないと思われる同棲が解消となっても、男女がそれぞれの立場と責任で解決すべきであり、法律の保護は受けられないということです。