保護命令の主旨は?
DV防止法では、被害者の保護を図るために、裁判所から保護命令を出すことができるようになりました。
これは、配偶者からの暴力から逃れるために、被害者が実家に身を寄せたりして避難しようとしても、またどこかで会って暴力を受けるという恐怖を抱いている人も大勢いるからです。実際、加害者は、逃げた妻を見つけ出して、暴力をふるってでも妻を連れ戻そうとする傾向にあります。
保護命令に違反した場合には?
保護命令に違反した場合には、刑罰が科されます。これにより、保護命令を実行あるものにし、被害者の保護を図っているのです。
保護命令の対象は?
保護命令の対象は、被害者が、配偶者から身体に対する暴力を受けた場合です。なお、これには、暴力を受けた後に離婚した場合も含まれます。
保護命令の内容とは?
保護命令には、次のような内容があります。
■接近禁止命令
6か月間、被害者の住居等で、身辺につきまとうことや徘徊することを禁止する命令です。
■退去命令
2か月間、同居している住居から退去することと徘徊を禁止する命令です。
■子供への接近禁止命令
6か月間、子供の住居、学校等で身辺につきまとうことや徘徊することを禁止する命令です。
保護命令を申し立てる裁判所は?
保護命令の申し立ては、次のいずれかを管轄する地方裁判所に対して行います。
■相手方の住所等
■申立人の住所等
■暴力が行われた地
保護命令に違反した場合には?
保護命令が発せられたにもかかわらず、加害者がその命令に違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。